2008年9月20日土曜日

チームと集団

700人の経営幹部のエグゼクティブアセスメントをしたという方のお話を伺いました。
成功するリーダー像は、欧米と日本とで共通のものもあり、異なるものもあるそうです。
  • 欧米の成功者は、バーナー型。焼き尽くすような情熱とパワーで推進する。日本でこれをやると、よほどの再生案件以外では周りがついてこない。日本で成功するのは、薪型。じわじわ、と燃えて、長く温かく燃え続ける。
  • 日本のリーダーは、チームマネジメントという意味において、欧米のリーダーに比べて概して能力が低い。そもそも考えてみると、Team という英語に相当する日本語がない。辞書を見ても、チームとある。多様な人材の良さをミックスし、1+1=2以上の力を引き出すのは、欧米のリーダーがうまい。

思わず、ひざを打ってしまうほど、納得しました。

たしかに、日本の組織の多くはチームではなく、集団です。

PSFも、案外と集団でしかなかったりします。チームマネジメントは、コンサルタントとして優秀であればできるというものではありません。

集団マネジメントは、おのぼりさんの集団を旗をもって引率するようなものでしょう。

チームマネジメントは、むしろ個々の自律・自立をどう尊重しつつ、個と個をつないで相乗効果を出すか、が求められるので、相当な力量がいります。

「指揮者は指揮をせず」に通じるものがありそうです。

2008年9月19日金曜日

人を育てる

A社は、1から人を育てる組織でした。
新卒で大量に採用し、米国にある研修施設(ベッド数が千数百!)に数週間送り込み、自社の方法論をたたきこみます。その後も、年に1回ぐらいのペースで世界各地の事務所から集まってミーティングや研修があります。
新しく入ってくる人たちに、いかにはやく力をつけてもらい、Feeをとれる人になってもらうか、ということが組織運営の主要テーマでした。
そのために、社内研修、評価、メンタリングなどに多大な時間を使いました。

S社は、経験豊かな人たちを主に採用しています。
事業会社でのマネジメント経験者、コンサルティング会社の幹部経験者などです。
したがって、入ったときから、それなりに一人前であることが期待されています。
その分、人を育てるというA社的な偏執狂さには至っていないように思います。
かつてのマッキンゼーに代表される高ブランド戦略コンサルティングファームもこれに近かったように思います。

人材モデルが極端に違うA社とS社。
文化的にも、A社はよりモノラルで、S社はカラフルなように感じます。
パワー的には、A社は1点突破の爆発力、S社はおとなの渋さ・しぶとさという感じでしょうか・・・?

2008年9月15日月曜日

先行き不透明なときの経営判断

2007年夏に表面化したサブプライム問題は、その後1年さらに猛威をふるい、ベアスターンズに続いてリーマンブラザーズものみこもうとしています。
今回の金融不安は、2002年から2003年を思い出させます。(つい5-6年前ですね)

前回は、2001年9月11日の同時多発テロから急激に世界経済が落ち込みました。
そのころはA社でパートナーの一員でした。
それまでのめざましい成長は頭打ちとなり、先行き不透明というより真っ暗になりました。
A社は、いろいろな手を打ちました。
  • パートナーの自発的な長期休暇(1年程度)
  • パートナーのBaseをさげるとともに、Bonusはプールし、パートナー以下から優先的に支払、期末に業績目標に達している場合にパートナーにも支給する
  • 一部の事務所(NYなど)でLow Performerをレイオフ(パートナーを含む)

パートナーになって数年目だったので、「パートナーって、割りを食うなあ」と思うと同時に、「次世代をまもる」というパートナーシップの醍醐味を感じました。

今回の危機によって、これまで絶好調だったいろいろなPSFが、先行き不透明となったとき、どのような経営判断を示すのか、興味深いところです。

もちろん、私がいまいるS社についても同様です。

いずれ、ふりかえってみたいと思います。