2008年12月13日土曜日

コンサルタントという職業は一生の仕事になり得るか

コンサルタントという職業は一生の仕事になり得るか、という質問を受けました。

整理して考えてみると、
  • コンサルタント会社に入ると、しばらくは見習いでもいいが、やがて自分でクライアントを開拓し、サービスを売り、高品質で提供する役割になる。多かれ少なかれ、クライアントはそのコンサルタントに頼みたいと思って発注するので、自分のブランドをつくることも大事になる。
  • ブランドができて、クライアントに信頼され、自分の信じるサービスを提供できる状態をつくれれば、これほど楽しいことはない。
  • 逆に、ただのワーカーになってしまうと、将来展望もなく、きわめて不安定な状況におちいる。
私のように、プロフェッショナルサービスの世界しか知らない者が、社内の人間関係の複雑な事業会社に入ることが考えにくいように、「カイシャ」や「組織」の論理で育ってきた人がコンサルタントに転身するのも、また壁は高いように思います。

ということで、一生の仕事になり得るかというと、ひとえに向き・不向きによるように思います。

そういえば、超トップブランドの戦略コンサルティングファームに20年いた人が、「日本のコンサルティング業界がダメなのは、コンサルティングを事業会社のマネジメントになるための経由地としか考えていない人ばかりで、この業界でずっとやろうという人がいないことだ。」と言っていました。
ロールモデルが少ないということも、表題の疑問につながっていることでしょう。

2008年11月9日日曜日

クライアントとの相性

プロフェッショナルは、プロフェッショナル・サービスの「売り手」です。
クライアントは、「買い手」です。

プロフェッショナルにとって、クライアントとの「相性」あるいはケミストリー(Chemistry)は、気になるものです。

お互いに、やはり相性がよい人とは良い仕事ができます。

ただ、「プロ」ですから、「人の好き嫌い」でサービスレベルが変わるようなことがあってはなりません。
また、はじめは相性が心配でも、信頼関係が築けてくると、よい組み合わせになったりすることもあります。

相性とは別に、やりにくいのはクライアントが「業者」として対峙してくる場合でしょう。
そうした局面は多々あります。
提案に来た人たちをニヤニヤしながら罵倒するメガバンクの担当者、モノを見るように品定めしようとする外資系企業、同じ人間として悲しくなるような思い出が次々に浮かんできます。

相性が合い、お互いにRespectを持てて、対等のパートナーとして成果を出していく。
そのような長期的関係をどうつくっていけるかが、プロフェッショナル・サービスをライフワークにできるかどうかにつながってくるでしょう。

2008年11月3日月曜日

R社のこと


かつての同僚に10年以上ぶりに会いました。
彼は、もともとR社で10年鍛えられてからA社に転職してきた人です。
いまは、仲間とつくった会社で、みずからの好奇心を満たすテーマを追求しています。

彼の育ったR社は、強力な営業力と、各界に企業家・社長人材を輩出していることで知られています。
そのR社の強さについて、面白い話をしていました。

1つは、目標達成への執念。これは、表彰・報酬との連動などをきめこまかくやっていることによるようです。
そしてもう1つは、「遊びの時間」。すなわち、自分の担当ではない他部署の商品を一定程度売ることが目標として課され、それをどう売るかを創意工夫を凝らして楽しみながら売るというのです。

「考える力」を育てる仕組みがあるということでしょう。

そして、R社出身者といっても、どの部署で育ったかでその人の強みがわかるといいます。
年1回の大規模な商談に向けて、年間計画を立てて行動する部署。
ひたすらお店に突撃営業して日々の数字をあげる部署。
まったくR社のブランドがきかない領域で、ゼロから営業する部署。

プロフェッショナルの育つ環境について、たくさんの示唆があるようです。
恐るべし、R社!

2008年10月10日金曜日

I never had a meal on my own.

PSFにおける営業は、成長の源泉です。
高品質のサービスの提供によって、リピートのビジネスをいただく。
ターゲットしたアカウントへの継続的なアプローチによって新しい仕事をいただく。
マーケットで知名度があるために、依頼の電話をいただく。

いろいろな形でビジネスをつくるわけですが、基本はproactive(能動的)であることでしょう。

S社の社内資料に、こうありました。
The person who built up [A社] was once asked:
'What is the one thing you have done that has made you so successful compared to your competitors?'
He replied: 'It's really simple - I never had a meal on my own.'"

A社は、会計事務所のコンサルティング部門としてスタートしたものの、完全に分離して独立、顧客開拓は自らやらなければなりませんでした。
それが、パラノイア的ともいえる成長動機になったと思います。
他の会計事務所系のコンサルティングは、なまじ監査部門と関係が良好であったがために、そちらからの顧客紹介が強く、かえって独立した成長力がつかなかったように思います。

自分で餌を探すことが、最大の営業でしょう。

2008年10月5日日曜日

教育

大学新卒者を大量に採用し、自社で育て上げて成長してきたA社では、教育・研修に膨大な投資をし続けてきました。2千人近くが宿泊できる研修センターをもち、年に1度ぐらいは世界中から参加する1週間程度のトレーニングに参加します。ローカルにも、工夫を凝らした教育プログラムを開発して運営したりします。「人を育てる」ことがカルチャーそのものといってもいいほどです。

一方、ビジネス経験豊富な人の入社を前提としているS社では、教育研修はそれほどの優先度をもちません。ビジネスプロセスやインフラについての理解を深めるための初期研修や変更時の研修がある程度です。最大のものは、入社して1年以内の人を集めて行う1週間のプログラムでしょう。

9月に、そのプログラムに参加しました。シカゴのホテルに世界から27人が集まり、ビジネスの基本、ファームの歴史や方向性、自分のプランの立て方、などをみっちりと学びました。
参加者の平均年齢もおそらく40歳を超えていると思われるほど、円熟味のある中での討議や交流があり、なかなか楽しめました。
最後の2日間は、同時期にボードミーティングを開いていたボードメンバー(全12名)との交流があり、その距離の近さが新鮮でした。
この1週間で、世界で約350人のコンサルタントの10%以上と交流したことになります。

こうしたファミリー的な感覚も、なかなか良いものです。もちろん、ファミリーにとけこめないと、きびしいことになるでしょうが。

2008年9月20日土曜日

チームと集団

700人の経営幹部のエグゼクティブアセスメントをしたという方のお話を伺いました。
成功するリーダー像は、欧米と日本とで共通のものもあり、異なるものもあるそうです。
  • 欧米の成功者は、バーナー型。焼き尽くすような情熱とパワーで推進する。日本でこれをやると、よほどの再生案件以外では周りがついてこない。日本で成功するのは、薪型。じわじわ、と燃えて、長く温かく燃え続ける。
  • 日本のリーダーは、チームマネジメントという意味において、欧米のリーダーに比べて概して能力が低い。そもそも考えてみると、Team という英語に相当する日本語がない。辞書を見ても、チームとある。多様な人材の良さをミックスし、1+1=2以上の力を引き出すのは、欧米のリーダーがうまい。

思わず、ひざを打ってしまうほど、納得しました。

たしかに、日本の組織の多くはチームではなく、集団です。

PSFも、案外と集団でしかなかったりします。チームマネジメントは、コンサルタントとして優秀であればできるというものではありません。

集団マネジメントは、おのぼりさんの集団を旗をもって引率するようなものでしょう。

チームマネジメントは、むしろ個々の自律・自立をどう尊重しつつ、個と個をつないで相乗効果を出すか、が求められるので、相当な力量がいります。

「指揮者は指揮をせず」に通じるものがありそうです。

2008年9月19日金曜日

人を育てる

A社は、1から人を育てる組織でした。
新卒で大量に採用し、米国にある研修施設(ベッド数が千数百!)に数週間送り込み、自社の方法論をたたきこみます。その後も、年に1回ぐらいのペースで世界各地の事務所から集まってミーティングや研修があります。
新しく入ってくる人たちに、いかにはやく力をつけてもらい、Feeをとれる人になってもらうか、ということが組織運営の主要テーマでした。
そのために、社内研修、評価、メンタリングなどに多大な時間を使いました。

S社は、経験豊かな人たちを主に採用しています。
事業会社でのマネジメント経験者、コンサルティング会社の幹部経験者などです。
したがって、入ったときから、それなりに一人前であることが期待されています。
その分、人を育てるというA社的な偏執狂さには至っていないように思います。
かつてのマッキンゼーに代表される高ブランド戦略コンサルティングファームもこれに近かったように思います。

人材モデルが極端に違うA社とS社。
文化的にも、A社はよりモノラルで、S社はカラフルなように感じます。
パワー的には、A社は1点突破の爆発力、S社はおとなの渋さ・しぶとさという感じでしょうか・・・?

2008年9月15日月曜日

先行き不透明なときの経営判断

2007年夏に表面化したサブプライム問題は、その後1年さらに猛威をふるい、ベアスターンズに続いてリーマンブラザーズものみこもうとしています。
今回の金融不安は、2002年から2003年を思い出させます。(つい5-6年前ですね)

前回は、2001年9月11日の同時多発テロから急激に世界経済が落ち込みました。
そのころはA社でパートナーの一員でした。
それまでのめざましい成長は頭打ちとなり、先行き不透明というより真っ暗になりました。
A社は、いろいろな手を打ちました。
  • パートナーの自発的な長期休暇(1年程度)
  • パートナーのBaseをさげるとともに、Bonusはプールし、パートナー以下から優先的に支払、期末に業績目標に達している場合にパートナーにも支給する
  • 一部の事務所(NYなど)でLow Performerをレイオフ(パートナーを含む)

パートナーになって数年目だったので、「パートナーって、割りを食うなあ」と思うと同時に、「次世代をまもる」というパートナーシップの醍醐味を感じました。

今回の危機によって、これまで絶好調だったいろいろなPSFが、先行き不透明となったとき、どのような経営判断を示すのか、興味深いところです。

もちろん、私がいまいるS社についても同様です。

いずれ、ふりかえってみたいと思います。

2008年8月16日土曜日

成長DNA

先日、あるA社の出身者と10年ぶりぐらいに話す機会がありました。
ゼロから10人ぐらいのプラクティスを立ち上げて、ビジネス順調。
しかし、会社としてはその規模で収益性高くやっていれば十分ということらしいのです。

A社のDNAは、「成長なくして存在意義なし」、「Change or Die」、「Up or Out」です。
このDNAをすりこまれ、洗脳されたA社卒としては、いまの環境がたまらなく気持ち悪く、精神衛生上よくないとのことです。

聞いていて、気持ちがわかるだけに、笑ってしまいました。
楽な状態が気持ち悪くなるDNAとは?
まさに「三つ子の魂、百まで」。
DNAは不滅です。

2008年8月8日金曜日

Client Facing

A社では、組織を成長させ、人を育て、公平に評価することが重要でした。
そのため、上のポジションにあがるほど、組織運営のための時間をより多く使うことになります。
成長プランの討議、社内研修に運営者や講師として参加、夜中まで白熱した議論が続く評価会議・・・。
マネジメントの仕事はこういうものです。
一方で、1プロフェッショナルとして、現場で過ごす時間が少なくなるのは、とても居心地が悪いものです。
常に、「プロフェッショナルとしての提供価値はなにか?」を問われているので、ただのマネジメントおじさんになると、いたたまれないのです。

S社では、小規模かつフラットであるがために、9割以上がClient Facing Time(クライアントのための活動時間)です。
組織の成長ドライバーはA社のように働きませんが、ライフワーク的にプロフェッショナルとして技能と経験とネットワークを広げるには、このような環境もなかなか快感です。

なにを仕事に求めるかによって、同じプロフェッショナルでも感じ方は違ってくるのでしょう。

2008年7月13日日曜日

A社とS社について

これまでに、2つのプロフェッショナル・サービスの会社で働きました。
A社に16年と9か月、S社は2008年5月からです。

S社で2ヶ月ちょっと、すでに比較文化論を書きたいという欲求がおさえられなくなってきました。
まだ見方が新鮮なうちに書き綴っていきたいと思います。

A社はいまや世界に18万人いて、NYSEに上場。
B社はプライベートカンパニーでパートナーシップ。世界にプロフェッショナルが400人ほどです。

S社でまず驚いたのは、クライアントの8割から9割が外資系、社内も英語主体ということです。
S社のビジネスの根幹であるデータベースは、英語のみ(日本語は、文書として添付可)なので、英語でやりとりするのが当たり前になっています。
A社は、日本では日本企業主体で、かなりドメスティックな会社だったので、英語の世界になれるのに少しとまどいました。

しかし、なれてくると英語はプログラミング言語や記号のようなものなので、単純な伝達や情報共有には余計な言い回しをしないですむ分、楽です。

それでも、日本人の外部の方にまで英語でメールしているプロフェッショナル(日本人です)が多いのには、びっくりしました。
やればできるというか、これもスタンスを貫きとおすということなのでしょうね。

2008年7月12日土曜日

雑にならない

プロフェッショナルサービスに限らないことですが、「雑にならないこと」は大切だと思います。
どうしても忙しいと雑になってきます。
また、「馴れ」によって雑になることもあります。

スポーツのプロは、基本動作・基本技術に忠実であり、そのための基礎練習を欠かしません。
同じように、プロフェッショナルサービスを高品質に提供していくことは、「雑にならないこと」の積み重ねだと思います。
メリハリを大切にしつつ、手を抜かない。
当たり前のようですが、ビジネス好調・評判上昇といったときには特に気をつけたいものです。

2008年7月11日金曜日

虎合の集

プロフェッショナルからなるミーティングは、それぞれが言いたいことだけを言ってだらだら話して終わったりします。

組織論として、ピラミッド型組織とパートナーシップによるフラット型組織とでは意志決定のあり方に違いがあります。

ピラミッド型だと、上が決めて下をひっぱるという形なので、意志決定もトップダウンでいきます。
フラット型は、きわめて決まり方が曖昧です。
基本的には多数決ですが、アクションにつながる決にすら至らないことがあります。
ただの意見交換というか、発散で会議が終わってしまうのです。

会議のやり方をクライアントに講釈するコンサルタント自身が、自分たちの会議ではお粗末だったりします。
プロフェッショナルの各々は、クライアント組織などでリーダーやマネジャーの役割をするときには虎です。しかし、虎たちだけが集まると、烏合の衆ならぬ虎合の衆になってしまいます。
そこで、獅子が1人必要になったりするから、組織というのは面白いものです。

2008年6月27日金曜日

7人の女○○士?

5歳の次女が、保育園で将来何になりたいか?というコーナーに「7人の女弁護士になりたい」と書いていました。
幼児にも、テレビドラマでの颯爽とした女性の姿が格好良くうつるのでしょう。
ふと、女性で固めたプロフェッショナル・ファームはどうだろうかと考えました。
たとえば、「7人の女コンサルタント」のいるコンサルティング会社。
すでにあるかもしれませんが、これはこれで、独自色というか独特のオーラを出せそうです。
テレビドラマのように颯爽とした女性プロフェッショナルで固めた会社が出現したら、案外脅威になりそうです。

2008年6月21日土曜日

Connected

月曜日に、ある件で約束のあった方に会いに行くと、別件の話が急に入り、彼の上司もUSから電話で参加して急遽の打ち合わせ。急展開で話が進んで、かなり面白い案件になりました。

グローバルに物事がダイナミックに進んでいく渦中にいると、なかなか快感です。

大先輩コンサルタントが、"We are connected."と言っておられましたが、まさに至言。
国や会社をこえて、Connectedというのはおもしろい状況です。
プロフェッショナル・サービスの醍醐味のひとつでしょう。

2008年6月8日日曜日

多種多様の楽しさ

プロフェッショナルサービスファームの楽しさは、そこにいるプロたちが多様であることです。
まずわかりやすいのは、国籍・人種・文化の多様性です。
お互いを認めてチームとしてのパフォーマンスを発揮するには、いろいろなチャレンジがありますが、その楽しさもひとしおです。

いまいる会社では、それに加えて年齢・年季の多様性の楽しさも味わっています。
60歳半ばぐらいで、ばりばりの現役としてHands Onでプロジェクトをこなしている大先輩など、大きな刺激をいただきます。
プロには年季も必要なのだなあ、などと実感します。

しかし、自分がその年代になったときにあれほどシャープにやれるかというと・・・。がんばります!

2008年6月7日土曜日

怒るは愛

親として、こどもにはついガミガミ言ってしまいます。
「もっと目を離して本を読め」
「姿勢を正せ」
「歯をよく磨け」
「外で遊べ」

自分で自分が嫌になるほど、あれこれ言います。

職場でこれと同じようにガミガミ言えるかというと、どうしても遠慮しがちになります。
「部下に嫌われたらいけない」
「ここで短所を直せずに成長しなくても、所詮は彼・彼女の人生だから知ったことではない」

こどもへの愛と同等のものをもてないとこうなります。

一方で、文章の書き方から服装のあり方までうるさく言う上司がいます。
愛があってありがたいことです。

プロフェッショナルサービスでは、この関係はさらに対クライアントにも発生します。
「耳に痛いことをいうコンサルタント」は、自分たちに愛をもって真剣に取り組んでくれている場合もあるということです。
「業者のくせに生意気な」とカチンときているようでは、プロの力を使いつくすことはできないでしょう。
愛にこたえようと、まずはやってみる。まさにプロとプロの真剣勝負になります。

もっとも、ただ性格がゆがんでいて辛辣なだけの人もいますので、見極めは難しいですよね。

2008年6月4日水曜日

リーダーの哀愁

これまでのクライアントの中で、当然ながらいろいろな人がいました。
大組織の中で、男気のある人(女性の方、ごめんなさい)、筋を通す人はそう多くはありません。

振り返ってみると、こちらが感動するような人格をもっている人は、悲しいことに必ずしもそれに見合った処遇に恵まれているわけではありません。

リーダーとして、愛をもって部下に接し、能力的にもすばらしいものを見せたKさんはプロジェクト後に会社を去りました。
社内の混乱でプロジェクトが遅延しつづけ、リーダーとして「生き恥をさらすようだ」と思いながらも最後まで見届けて潔く去ったTさん。プロジェクトの遅延を部下に伝えるときに涙を流してすまながった人です。

人間の高潔さと、世間のみる成功とは、必ずしもリンクしないという現実が、そこかしこにありました。
リーダーの高潔さが報われるケースが1つでも増えてほしいし、そのためにプロとして貢献していきたいものです。

2008年5月31日土曜日

プロ仲間

仲間のひとりが週末からシンガポールに赴任するということで、急遽、金曜日の夕方に会議室に招集がかかりました。

シニアな人が秘蔵していたワインを開けて、みんなで祝福の乾杯です。
総勢で20数人のプロフェッショナルファームの家族的な良さを体感しました。

ふだんは、それぞれがクライアントワークに従事し、顔を合わせることもないことも多いプロフェッショナルたち。
お互いを認めているので、たまに顔を合わせるだけでも、「仲間」としての連帯意識が強いようです。

紙コップでしたが、秘蔵のワインも美味でした。

2008年5月29日木曜日

マシンを見た

コンサルティングの現場で、クライアントあるいはクライアントになりそうな会社の商品を見せてもらうことがあります。
先日は、カード発行機を見せてもらいました。
刻印から封筒の作成までできるマシンは、5メートルはあろうかというかなりの大きさです。

マシンを見ると、その会社の理念や商品への愛着が伝わってきます。
そのクライアントの成長・成功に貢献したいという気持ちもさらに強まります。

現場を見て思いを共有する。基本ですね。

2008年5月25日日曜日

さすがプロ

以前にダスキンのハウスクリーニングを頼んだことがあります。
数人で来て、徹底的にきれいにしてくれます。
換気扇や洗濯機のドラムなど、素人には手に負えないところを気持ちいいほどピカピカにしてくれます。
終わってお支払いする段では、思わず「さすがプロですね!」と言ってしまいます。



プロフェッショナルにとって、最大の喜びのひとつは、提供したサービスの品質に満足してもらい、「さすがプロ」と言ってもらえることだと思います。

これまでに、心をこめてそのように言っていただけたケースのほとんどは、クライアントと「パートナーとして一緒に汗を流す」という感覚を共有できたときです。

コンサルタントへの殺し文句は、「さすがプロ」ということでしょうか。

2008年5月17日土曜日

One Firm ワン ファーム

成功しているプロフェッショナルファームには、いくつかの特徴があります。

1つは、One Firmである、ということです。
すなわち、国境や人種、性別、年齢などをこえて、1つの会社としてだれもがプロフェッショナルとして認められ、公平であるということです。

はじめて入社したコンサルティングファームのキャッチフレーズに、One Firm Concept というのがありました。
日本の事務所は、日本企業のクライアントがほとんどで、プロジェクトの構成メンバーも日本人ばかり。
グローバルな会社だと実感するのは、海外の研修所で世界中から集まるコンサルタントと学ぶときぐらいでした。
しかし、会社の成長とともに国境の垣根が低くなり、少しずつOne Firm Concept を体感できるようになってきました。
いまでは、やみつきというか、やめられない!という感じです。

One Firm であるためには、世界で共通のインフラへの継続的な投資が欠かせません。
インフラは、同じ情報システムを使うということもあるし、教育も方法論もあります。
そして、プロフェッショナルたちは、そのインフラを自分のものとし、メリットを享受し、要望を出してインフラの絶えざる改善を続けます。

そのファームのインフラをみると、その会社の文化や特徴、将来性まで見えてくるように思えるほどです。
インフラのノウハウは、競争優位を守るために企業秘密であると思いますが、世の中全体の向上のために、いいものは広まっていくといいなあと思います。

2008年5月5日月曜日

プロフェッショナル・サービスとは?

プロフェッショナル・サービスとは、「その道のプロによる提案・解決のためのサービス」です。
医者、弁護士、税理士、コンサルタント、ファイナンシャルアドバイザー、カウンセラー、コーチなど、特定分野で技を磨き、その技によってサービスを提供します。

自営、Independent Contractor、開業といろいろな形態がありますが、ファーム(会社組織)として運営しているケースもあります。
弁護士事務所、コンサルティングファーム、会計事務所などです。

ブランド力が高かったり、実績を積み上げながら成長を続けているファームの多くはグローバルに展開し、パートナーシップで運営しています。

こうしたファームは、構成メンバー(社員)それぞれがプロとして切磋琢磨する意欲が高く、同時にプライドも高く、仕事環境や報酬への要求・期待も高く、本人に求められる技量や能力、人間力もまた高いのです。

このような組織をどう運営し、成長させていくのか。
それぞれのファームが試行錯誤と変革を繰り返して模索しています。

デービッド・マイスターの「プロフェッショナル・サービス・ファーム」は、ファーム経営を体系的にあらわした優れた著作だと思います。
ここで述べられている課題や行動などは、特殊な世界の話ではなく、個人が自立して会社組織の中で成長するという観点からもおおいに参考になります。

私には、特に以下の章が読み応え有りました。
  • 第15章 動機付けの危機
  • 第19章 ナショナル・プラクティスリーダーの役割
  • 第27章 ザ・ワンファーム・ファーム

私が社会人になってはじめてのコンサルティング・ファームのスローガンのひとつは、"One Firm Concept"というものでした。
このコンセプトを体現することのすばらしさを味わってきたので、第27章は特にすんなりと読めました。

21世紀は、カイシャでなく、プロとしての個人が主役の時代になってほしいものです。