2009年5月23日土曜日

苦汁その1

プロフェッショナル・サービス稼業を長くやっていると、苦汁をなめさせられる経験も増えます。
これがまた成長の糧となるのですが、やはり苦いものです。
苦さは、決して消えることがないように思います。
だからこそ、次に活かそうと考えるのでしょう。

都市銀行の事務改革プロジェクトを受注したときのこと。
そもそも、あとから聞くと、頭取が「内から帰られないのであれば、外から変えろ」と指示を出し、いやいやコンサルティング会社を使うことになったようです。
チーム編成にも苦労しつつ、3ヶ月の苦闘の末に、結果的には何も変わりませんでした。
自分の非力を素直に認める一方で、プロジェクト後にもお付き合いが続く方が1人もつくれなかったのは初めてのことでした。
該当部署をたばねるAさんに、終了時に「まあ、そちらはいい勉強をしたのだろうけど。くれぐれもうちの情報を他でもらさないように」と言われたときには、さすがに頭に血がのぼりました。上司にすぐ諌められましたが。
いま思えば青いかぎりです。

そして数年後、家族旅行の際にふとテレビを見ると、なんと大規模システム障害が発生し、めでたく出世されたAさんが深く頭を下げているではないですか!
いやはや、人生いろいろです。