2009年1月25日日曜日

DNA

PSAの求心力のひとつは、DNAにあると思います。
リクルート出身の人に会うと、必ずといっていいほど、次のことばがしみついています。
(少なくとも、私が会った人たちは・・・)
「みずから機会を創り、機会によってみずからを変えよ」

創業者が考え、プレートにして卓上においていたということばです。
このDNAは強烈で、リクルート自身だけでなく、各方面に人が出て行って、このDNAを体現しています。

先日も、たまたま会った人の机の上にこのことばがプレートにしてあり、聞くとやはりリクルート出身の方でした。
しかも、日本語だけでなく、中国語と英語まで併記してあります。

共通言語というか、ことばの力は偉大ですね。

2008年12月13日土曜日

コンサルタントという職業は一生の仕事になり得るか

コンサルタントという職業は一生の仕事になり得るか、という質問を受けました。

整理して考えてみると、
  • コンサルタント会社に入ると、しばらくは見習いでもいいが、やがて自分でクライアントを開拓し、サービスを売り、高品質で提供する役割になる。多かれ少なかれ、クライアントはそのコンサルタントに頼みたいと思って発注するので、自分のブランドをつくることも大事になる。
  • ブランドができて、クライアントに信頼され、自分の信じるサービスを提供できる状態をつくれれば、これほど楽しいことはない。
  • 逆に、ただのワーカーになってしまうと、将来展望もなく、きわめて不安定な状況におちいる。
私のように、プロフェッショナルサービスの世界しか知らない者が、社内の人間関係の複雑な事業会社に入ることが考えにくいように、「カイシャ」や「組織」の論理で育ってきた人がコンサルタントに転身するのも、また壁は高いように思います。

ということで、一生の仕事になり得るかというと、ひとえに向き・不向きによるように思います。

そういえば、超トップブランドの戦略コンサルティングファームに20年いた人が、「日本のコンサルティング業界がダメなのは、コンサルティングを事業会社のマネジメントになるための経由地としか考えていない人ばかりで、この業界でずっとやろうという人がいないことだ。」と言っていました。
ロールモデルが少ないということも、表題の疑問につながっていることでしょう。

2008年11月9日日曜日

クライアントとの相性

プロフェッショナルは、プロフェッショナル・サービスの「売り手」です。
クライアントは、「買い手」です。

プロフェッショナルにとって、クライアントとの「相性」あるいはケミストリー(Chemistry)は、気になるものです。

お互いに、やはり相性がよい人とは良い仕事ができます。

ただ、「プロ」ですから、「人の好き嫌い」でサービスレベルが変わるようなことがあってはなりません。
また、はじめは相性が心配でも、信頼関係が築けてくると、よい組み合わせになったりすることもあります。

相性とは別に、やりにくいのはクライアントが「業者」として対峙してくる場合でしょう。
そうした局面は多々あります。
提案に来た人たちをニヤニヤしながら罵倒するメガバンクの担当者、モノを見るように品定めしようとする外資系企業、同じ人間として悲しくなるような思い出が次々に浮かんできます。

相性が合い、お互いにRespectを持てて、対等のパートナーとして成果を出していく。
そのような長期的関係をどうつくっていけるかが、プロフェッショナル・サービスをライフワークにできるかどうかにつながってくるでしょう。

2008年11月3日月曜日

R社のこと


かつての同僚に10年以上ぶりに会いました。
彼は、もともとR社で10年鍛えられてからA社に転職してきた人です。
いまは、仲間とつくった会社で、みずからの好奇心を満たすテーマを追求しています。

彼の育ったR社は、強力な営業力と、各界に企業家・社長人材を輩出していることで知られています。
そのR社の強さについて、面白い話をしていました。

1つは、目標達成への執念。これは、表彰・報酬との連動などをきめこまかくやっていることによるようです。
そしてもう1つは、「遊びの時間」。すなわち、自分の担当ではない他部署の商品を一定程度売ることが目標として課され、それをどう売るかを創意工夫を凝らして楽しみながら売るというのです。

「考える力」を育てる仕組みがあるということでしょう。

そして、R社出身者といっても、どの部署で育ったかでその人の強みがわかるといいます。
年1回の大規模な商談に向けて、年間計画を立てて行動する部署。
ひたすらお店に突撃営業して日々の数字をあげる部署。
まったくR社のブランドがきかない領域で、ゼロから営業する部署。

プロフェッショナルの育つ環境について、たくさんの示唆があるようです。
恐るべし、R社!

2008年10月10日金曜日

I never had a meal on my own.

PSFにおける営業は、成長の源泉です。
高品質のサービスの提供によって、リピートのビジネスをいただく。
ターゲットしたアカウントへの継続的なアプローチによって新しい仕事をいただく。
マーケットで知名度があるために、依頼の電話をいただく。

いろいろな形でビジネスをつくるわけですが、基本はproactive(能動的)であることでしょう。

S社の社内資料に、こうありました。
The person who built up [A社] was once asked:
'What is the one thing you have done that has made you so successful compared to your competitors?'
He replied: 'It's really simple - I never had a meal on my own.'"

A社は、会計事務所のコンサルティング部門としてスタートしたものの、完全に分離して独立、顧客開拓は自らやらなければなりませんでした。
それが、パラノイア的ともいえる成長動機になったと思います。
他の会計事務所系のコンサルティングは、なまじ監査部門と関係が良好であったがために、そちらからの顧客紹介が強く、かえって独立した成長力がつかなかったように思います。

自分で餌を探すことが、最大の営業でしょう。

2008年10月5日日曜日

教育

大学新卒者を大量に採用し、自社で育て上げて成長してきたA社では、教育・研修に膨大な投資をし続けてきました。2千人近くが宿泊できる研修センターをもち、年に1度ぐらいは世界中から参加する1週間程度のトレーニングに参加します。ローカルにも、工夫を凝らした教育プログラムを開発して運営したりします。「人を育てる」ことがカルチャーそのものといってもいいほどです。

一方、ビジネス経験豊富な人の入社を前提としているS社では、教育研修はそれほどの優先度をもちません。ビジネスプロセスやインフラについての理解を深めるための初期研修や変更時の研修がある程度です。最大のものは、入社して1年以内の人を集めて行う1週間のプログラムでしょう。

9月に、そのプログラムに参加しました。シカゴのホテルに世界から27人が集まり、ビジネスの基本、ファームの歴史や方向性、自分のプランの立て方、などをみっちりと学びました。
参加者の平均年齢もおそらく40歳を超えていると思われるほど、円熟味のある中での討議や交流があり、なかなか楽しめました。
最後の2日間は、同時期にボードミーティングを開いていたボードメンバー(全12名)との交流があり、その距離の近さが新鮮でした。
この1週間で、世界で約350人のコンサルタントの10%以上と交流したことになります。

こうしたファミリー的な感覚も、なかなか良いものです。もちろん、ファミリーにとけこめないと、きびしいことになるでしょうが。

2008年9月20日土曜日

チームと集団

700人の経営幹部のエグゼクティブアセスメントをしたという方のお話を伺いました。
成功するリーダー像は、欧米と日本とで共通のものもあり、異なるものもあるそうです。
  • 欧米の成功者は、バーナー型。焼き尽くすような情熱とパワーで推進する。日本でこれをやると、よほどの再生案件以外では周りがついてこない。日本で成功するのは、薪型。じわじわ、と燃えて、長く温かく燃え続ける。
  • 日本のリーダーは、チームマネジメントという意味において、欧米のリーダーに比べて概して能力が低い。そもそも考えてみると、Team という英語に相当する日本語がない。辞書を見ても、チームとある。多様な人材の良さをミックスし、1+1=2以上の力を引き出すのは、欧米のリーダーがうまい。

思わず、ひざを打ってしまうほど、納得しました。

たしかに、日本の組織の多くはチームではなく、集団です。

PSFも、案外と集団でしかなかったりします。チームマネジメントは、コンサルタントとして優秀であればできるというものではありません。

集団マネジメントは、おのぼりさんの集団を旗をもって引率するようなものでしょう。

チームマネジメントは、むしろ個々の自律・自立をどう尊重しつつ、個と個をつないで相乗効果を出すか、が求められるので、相当な力量がいります。

「指揮者は指揮をせず」に通じるものがありそうです。

2008年9月19日金曜日

人を育てる

A社は、1から人を育てる組織でした。
新卒で大量に採用し、米国にある研修施設(ベッド数が千数百!)に数週間送り込み、自社の方法論をたたきこみます。その後も、年に1回ぐらいのペースで世界各地の事務所から集まってミーティングや研修があります。
新しく入ってくる人たちに、いかにはやく力をつけてもらい、Feeをとれる人になってもらうか、ということが組織運営の主要テーマでした。
そのために、社内研修、評価、メンタリングなどに多大な時間を使いました。

S社は、経験豊かな人たちを主に採用しています。
事業会社でのマネジメント経験者、コンサルティング会社の幹部経験者などです。
したがって、入ったときから、それなりに一人前であることが期待されています。
その分、人を育てるというA社的な偏執狂さには至っていないように思います。
かつてのマッキンゼーに代表される高ブランド戦略コンサルティングファームもこれに近かったように思います。

人材モデルが極端に違うA社とS社。
文化的にも、A社はよりモノラルで、S社はカラフルなように感じます。
パワー的には、A社は1点突破の爆発力、S社はおとなの渋さ・しぶとさという感じでしょうか・・・?

2008年9月15日月曜日

先行き不透明なときの経営判断

2007年夏に表面化したサブプライム問題は、その後1年さらに猛威をふるい、ベアスターンズに続いてリーマンブラザーズものみこもうとしています。
今回の金融不安は、2002年から2003年を思い出させます。(つい5-6年前ですね)

前回は、2001年9月11日の同時多発テロから急激に世界経済が落ち込みました。
そのころはA社でパートナーの一員でした。
それまでのめざましい成長は頭打ちとなり、先行き不透明というより真っ暗になりました。
A社は、いろいろな手を打ちました。
  • パートナーの自発的な長期休暇(1年程度)
  • パートナーのBaseをさげるとともに、Bonusはプールし、パートナー以下から優先的に支払、期末に業績目標に達している場合にパートナーにも支給する
  • 一部の事務所(NYなど)でLow Performerをレイオフ(パートナーを含む)

パートナーになって数年目だったので、「パートナーって、割りを食うなあ」と思うと同時に、「次世代をまもる」というパートナーシップの醍醐味を感じました。

今回の危機によって、これまで絶好調だったいろいろなPSFが、先行き不透明となったとき、どのような経営判断を示すのか、興味深いところです。

もちろん、私がいまいるS社についても同様です。

いずれ、ふりかえってみたいと思います。

2008年8月16日土曜日

成長DNA

先日、あるA社の出身者と10年ぶりぐらいに話す機会がありました。
ゼロから10人ぐらいのプラクティスを立ち上げて、ビジネス順調。
しかし、会社としてはその規模で収益性高くやっていれば十分ということらしいのです。

A社のDNAは、「成長なくして存在意義なし」、「Change or Die」、「Up or Out」です。
このDNAをすりこまれ、洗脳されたA社卒としては、いまの環境がたまらなく気持ち悪く、精神衛生上よくないとのことです。

聞いていて、気持ちがわかるだけに、笑ってしまいました。
楽な状態が気持ち悪くなるDNAとは?
まさに「三つ子の魂、百まで」。
DNAは不滅です。